キャンプに潜むマダニの恐怖 その対策と対処法

キャンプで気をつけたい危険生物というと熊やスズメバチ、マムシ、ヤマビルなどが思い浮かぶのではないでしょうか?

しかし、草むらにはそれよりも恐ろしい小さな生き物が潜んでいます。それはウイルス感染症を媒介する「マダニ」です。致死率30%  マダニ媒介感染症は特効薬がない為、対処療法となります。

マダニ類の活動が盛んな時期は、春から秋に多くの発生が見られ、農作業やキャンプなど野外で活動する際には注意が必要です。

今回はマダニの被害に合わない予防法とマダニ被害に合ってしまった時の正しい対処法についてご紹介していきます。

キャンプなどのアウトドアを楽しむ方は是非知っておきたい情報の一つです。

目次

マダニとは

マダニの成虫は足が8本で、クモやサソリと同じ仲間になります。ダニ類の中では大型で、成虫は2-4mmぐらいの大きさの種が多いです。特に大型の種類では10mmに達するものもあります。

マダニはオスもメスも吸血するのですが、幼虫・若ダニと全ステージでも吸血をします。血を吸うときには、セメントのようなもので自分の口を固定し、吸血します。

成ダニは固定した状態で、約1週間もの期間、血を吸い続け、パンパンに膨れ上がり、豆粒ほどの大きさにもなります。吸血の終わったマダニは剥がれ落ち、草むら・砂地などで2~3000個と大量の卵を産むと言われています。

マダニが潜む場所

マダニは、主に山林や草むら、ヤブなどの屋外に生息しています。

特に、鹿やイノシシ、野ウサギなどの野生動物が出没する環境に多く見られます。

また、民家の裏山や裏庭、畑、あぜ道などにも生息しており、木の葉や草の裏などでじっと待ち伏せし、生息場所に近づいた動物や人に寄生して吸血します。

マダニに噛まれるとどうなるの?

マダニに咬まれた時の症状としては、1~2日は痛みもなく気づかないことが多いです。

数日すると、マダニが吸血して大きくなり、患部が痒みや、赤み、腫れ、痛みを引き起こすことで、ようやく気づきます。

また、噛まれてから2日から2週間程度の潜伏期間を経て、次のような症状が現れることがあります。

  • 発熱
  • 全身倦怠感
  • 消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、腹痛、下痢など)
  • 頭痛
  • 筋肉痛
  • 神経症状(意識障害、けいれん、昏睡)
  • リンパ節腫脹
  • 呼吸器症状(咳など)
  • 出血症状(紫斑、下血)

このような症状が現れた場合は、重症熱性血小板減少症候群や日本紅斑熱などを疑い、早めに病院にかかる必要があります。

⭐️日本紅斑熱

病原体(リケッチア)を保有するダニに刺されることにより感染するダニ媒介感染症です。近年、国内で年間200件を超える発生報告があり、死亡者も報告されています。感染症法では四類感染症に位置付けられています。

⭐️重症熱性血小板減少症候群(SFTS)

SFTSウイルスが起こす感染症です。マダニを介して感染が広がります。潜伏期間は6-14日ほどでその後発熱・だるさ・吐き気・腹痛・下痢・筋肉痛・リンパ節の腫れ・意識障害・出血といった症状が出現します。重症になると多臓器不全になり命に関わります。 

このように、マダニのごく一部は、感染症の原因となる病原体を保有していることがあります。しかし、噛まれたから皆がそうなる訳ではないので、過剰な心配は不要です。ただ、正しい対処方法を知る、知らないでは、その後の病院での処置内容や、被害の程度も変わってきます。

マダニに噛まれた時の対処法

マダニの多くは、取り付くと、皮膚にしっかりと口器を突き刺し、長時間吸血します。無理に取り除くと口器が皮膚の中に残り、化膿する可能性があります。

吸着したマダニは早めに除去しましょう。

なぜならマダニに吸着されてからの時間が短いほど、除去は容易だからです。

その為早期であれば先の尖ったピンセットなどでマダニの口器の部分を摘んで、ゆっくり引き抜くことによって、うまく除去することも可能ですが、できれば無理に引き抜かず、医療機関で処置を受けましょう。

なお、自分でマダニを除去した場合は、そのマダニを捨てずに保管しておくと、その後に何らかの病気が発症した場合の重要な試料になるので、医療機関を受診する際に持参するといいでしょう。

また、吸着したマダニの腹部を指で摘まむと、マダニの体液成分が皮膚内に流入しやすくなるので、注意しましょう。

 吸着して3日以上が経過すると、マダニの口器が皮膚組織と固く接着しているため、除去が困難になります。

その場合、無理に引っ張ると、皮膚内に口器がちぎれて残ります。そのため、チクチクした違和感が残る場合や、その後に硬いしこりを生じる場合もあります。

 

マダニの除去が困難と判断された場合は、局所麻酔をして、皮膚ごと切除する必要がありますので、皮膚科を受診するようにしましょう。

マダニ被害に遭わない為の予防策

①むやみに林の中や草むらに入らない

マダニは、主に山林や草むら、ヤブなどの屋外に生息しています。

特に、鹿やイノシシ、野ウサギなどの野生動物が出没する環境は危険です。

むやみにそのような場所には立ち入らないようにしましょう。

②長袖・長ズボンを着用する

シャツの裾はズボンの中に、ズボンの裾は靴下や長靴の中に入れるか、登山用スパッツを着用する

③肌の露出を出来るだけ少なくする

足を完全に覆う靴(サンダル等は避ける)、帽子、手袋を着用し、首にタオルを巻く

④服は明るい色にする

マダニを目視で確認しやすいので、明るい服にする。 また天然繊維の衣類よりも、表面がつるつるとした化繊素材の衣類のほうが虫が付きにくいのでおすすめです。

⑤虫除けスプレーを噴射する

肌の露出部分には、ダニに効果がある虫よけスプレーを噴射する

⑥地面に直接寝転んだり、座ったりしない

 寝転んだり、座ったりする場合は敷物を使用しましょう。

⑦帰宅後は衣服を脱ぎ、すぐ入浴する

マダニが衣服に潜んでいる可能性があるので、帰宅後はすぐに衣服を脱ぎ、すぐ入浴して新しい服に着替えましょう。

髪についたマダニがいたら、洗髪することで洗い流すことができます。

ワンポイントアドバイス☝️
入浴の際、マダニに刺されていないか確認しましょう。特に、首、耳、わきの下、足の付け根、手首、膝の裏などをポイントにチェックしましょう。

マダニ体験談

キャンプから帰ってきた翌々日、右の太ももの付け根のあたりが、チクチクするなと思ったのが最初です。

時間が経つと、それがズキッとする痛みにかわり、何かに刺されたのか、それとも暑さによる汗疹が悪化したのかなど色々なことを考えました。

あまりに痛むので見てみると小さなイボのようなものがポツンとありました。イボができていて痛むのかと思った瞬間、よく見るとそれはマダニでした。

最初は自分で取ろうかと考えましたが、マダニの頭がずっぽりと皮膚の中に食い込んでいるので、取るのは難しいということ、また無理に取って口器が残ると痒みや感染症のリスクが高くなるので、自分で引き抜くのを諦めて病院に行くことを決意しました。

マダニを抜いてもらった後は、消毒とガーゼを当て、細菌感染を治療する薬を1週間分処方されて診察は終了しました。その後、薬が効いたおかげか感染症の症状がでませんでしたが、痒みと患部の痛みは一週間以上たった今でも残っています。

まとめ

いかがでしたか? キャンプなどのアウトドアをする際には、マダニに噛まれる危険性が潜んでいます。しかも噛まれると、長時間吸血している為、離れません。無理に取り除くと口器が皮膚の中に残り、化膿したり、重篤な感染症を引き起こす可能性があります。

そんなマダニの被害に合わないためにも、予防策を知っておきましょう‼️

また、噛まれてしまった際の正しい対処法を知ることで被害を最小限にすることができます。 マダニに関する正しい知識を知り、アウトドアライフを楽しみましょう。

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